90分と延長前後半の30分。トータル120分を戦い抜いた
日本代表。最後はPK線で敗れました。

本当によく戦ってくれました。善戦どころじゃなく、互角に戦って最後は
サッカーの神様に試練を与えられたんだと思います。
もうなんだか、よくわかりませんが、うるうるしています。


相手は生まれたときからボールを蹴っているというサッカー国。
そのチームに対して全く引けをとらない全力プレーで失点を凌ぎました。
得点はできませんでしたが何度も惜しいチャンスを作り、W杯における実績も歴史も
はるかに上回るパラグアイを脅かし驚かせました。


精度の高い日本のフリーキックは世界を驚嘆させ、しぶとくねちっこい日本の守りは
相手チームをいらつかせました。これほどまでにすばらしい戦いを見せてくれるとは、
応援する方としても全く驚いたというほかありません。


テストマッチではオウンゴールの申し子と化していたトゥーリオも、本大会に入ってからは
しぶとく懸命に守りました。体格の劣る中で唯一通用した中澤のボンバヘッドは
「こんなはずじゃなかった」と相手チームに思わせ、「疲れを知らねぇのか?」という長友
の守備が相手エースに仕事をさせませんでした。常に数的有利な状況を作って攻撃を防ぐ
日本の守備は、相手のミスを誘い、心理的に追い込み、それがあらゆるプレイに粗さをもたらし、
自陣近くでファールを犯すことにもつながったと思います。
それがデンマーク戦での得点をもたらしたのです。


精度の高いフリーキックを生んだのは、これはまさに練習の賜物だと思います。必ずしも、
決して小さい頃からサッカーボールに親しんでいたわけではない日本の選手がどうやってゴールを奪うか?
個々の技術において歴史の差から相手選手を凌げない日本人が、いかにゴールを奪うかを考えたとき、
直接入れちゃえばいいということで何本も何本もフリーキックを練習したんだと思うのです。
そう考えると、そこはやはり「よくそれを磨いたな」と脱帽するしかありません。


2大会ぶりにベスト16という結果を残した日本は、その残した実績以上に日本と世界のサッカーふぁんを
驚かせました。


僕はかつて中田が代表でがんばっている頃に「走ってるのは中田だけじゃんっ!なんで他の選手は攻撃にしろ
守備にしろそこで見てんだよっ!?」っていきどおった事があります。前にブログに書いた気もするけど、
もう記事を探すのがめんどくさいのでしませんが。今大会前に本田と中田が対談してますが、その時に「ひょっとして、当時孤立してました?」って本田が聞いたらしいですが、そういう状況だったのです。そういう風にチームが
まとまってないんじゃ結果は伴いませんわな。おそらく中田が余りにも(他の選手よりも)国外で
実績を残していたから反感にも似たものを感じていた可能性があります。

が、今回は大会前にぼろくその成績だったおかげで選手たちがいい意味で開き直って、そして一丸になって本来の「走るサッカー」に回帰できたんではと思います。
チームで戦うわけですから、やはり一体となっていないとそこは難しい。

それが今回の代表選手たちにはありました。


それがサポーターにも感動を与えてくれました。

中田が代表ユニを脱いで以降、全く応援する気がしませんでしたが、それはもうおしまい。
がんばる日本代表を、日本サッカーを僕は応援します。


もしこのPK戦で勝てたら、主力選手がイエローの累積で出場出来ないことから「傷だらけのベスト8」という
言葉を使って文章を書くつもりでしたが、そうはなりませんでした。
彼らは、日本や世界のサッカーファンにとてもいいものを、熱いものを残してくれました。


本当に見事な、あっぱれな戦いでした。
ありがとう日本代表!そしてお疲れ様!