この作品を見ようかと考えて、見ると決めたのは松雪泰子でした。僕が前回観た松雪作品は(ここでは準主役ですが)「容疑者Xの献身」。東野圭吾が原作のガリレオシリーズの映画版です。ここでは主役の福山雅治と堤真一の対決が見所ではありますが、下敷きになっているのは堤の松雪への献身的な愛です。堤は天才的な数学者でしたがその頭脳を持て余し、あまつさえ世をはかなんでたった今死のうとしていた所に偶然現れた(アパートの隣室に越して来た)松雪に恋をします。元夫を死なせてしまった(娘を守ろうとしたので過失致死)松雪をかばい、堤は死体遺棄の罪を犯します。その殺人が発覚しないよう緻密に計算されたトリックを彼は施し、それを暴こうとする福山との対決が話の中心。要は、愛する人を殺人の罪から守る為に自らが罪を犯し、「今までどおり、普通に暮らしてください。あなたを守る事が私の幸せだと(これは言ったかどうだか忘れたけど)」手紙に託すのです。結局は福山がトリックを看破し、堤は逮捕され、罪の意識に苛まれた松雪が名乗り出ますね。愛ゆえに罪を犯す堤と、殺人罪の重さと自己保身の狭間で揺れ動きながら最後には名乗り出る松雪。ここでは守られる側だった松雪がこのMotherではどういう役なのかなと興味があったのです。・・・ここまで長い。


番組の宣伝段階で、そのタイトルからして母性が関わる話で、そして重い作品だなとわかったし、松雪が主役だったので観ました。

それにしても、虐待によってその短い命を終える事件のなんと多いことかと考えさせられます。といっても、この作品は「命は尊い」という自明を突き出して責めるという単純なことはやりません。そのかけがえのない命を、だったら「救う為に誘拐してしまう」という罪を犯すわけです。作品内で散々訴えられていましたが、子供を救う為とはいえ親子の間に介入する事はとても難しく、しつけと虐待の線引きは困難です。冬の北海道で、ゴミ袋に入れられて放置されるというショッキングな第1話。そこで事故死に見せかけて連れ去ってしまうというこれは明らかな犯罪。おいおい、いったいこの2人はどうなるのか?この先どうするんだと見逃せなくなりましたよ。


ガリレオじゃないけど、この脚本は練りに練ってありましたね。少しづつしか見せないからこの人物にもあの人物にも興味が湧くし、先の展開が読めませんでした。そうしてこのつぐみちゃんの可愛い事といったら、ちょっと言葉にできないほどですね。傍から見ると、なんでこんな可愛い子を虐待するんだと思いますが、(なったことないから想像ですが)たぶん母親というのはああいう(虐待をしてしまう)状況に陥ったら最後、可愛さ余って憎さ百倍という心境に至るんではないでしょうか?子供というのは明らかに(特に幼い頃は)自分の分身であり、ピュアなぶんだけ本能で生きている子供に自分自身のエゴばかりを見るのではと思います。そのように、我が子に自分自身を重ねるからこそ、なりたい自分に今度こそ成長をと願ってその未来に期待もするのです。ですが、尾野真千はそうはなりませんでした。中盤で尾野真千子がどうして怜南にああいう仕打ちをするようになったかが語られていましたが、これは正直に言うと少々無理があった気がします。生活に追われる中で、我が子を愛す、守る気持ちをどこかに置き忘れてしまった感がありましたが、実際はどうなのかなと感じました。隣りのおばちゃんが支えてくれてたみたいでしたが、若くして他界した夫の両親や尾野真千子の両親について触れられずじまいだし、今時生命保険のひとつも入ってなかったのかよとも思いました。亡くなった原因も語られず。まぁ、亡くなり方によっては保険金が入りますからそこには触れなかったんでしょう。


それよりも、奈緒とつぐみです。奈緒の母は実は育ての母で、うっかりさんが実は実の母で、うっかりさんは奈緒を娘とわかっていながらそれを明かさず、奈緒は実の母を恨んでいてでもうっかりさんが実の母だと気づかないままという、更に更に、つぐみが自分の孫だとばかり思っていたら本当は誘拐された道木怜南ちゃんでした。いや、ややこしい。

すじをひたすら追っていたら終わりそうにない。


この作品を観て感じたのは、母の母たる強さですね。最終話でうっかりさんが言いますが、お母さんにはお母さんがいて、そのお母さんにもお母さんがいるという事。みんなお母さんから生まれてくるという厳然たる事実です。奈緒がつぐみとの将来への不安を口にした時に言います。

「あなたとつぐみちゃんははじまったばかり。ふたりがどうなるのかはあの子が大人になった時にわかるわ」

それは、「その時までしっかり頑張りなさいというエール」だと受け取りました。

先ほど触れましたが、尾野真千子の母に関する描写はありませんでした。つまり「彼女の母」から「怜南の母」への受け継ぎはなかったのです。どこかで断絶しているんです。だから尾野真千子は強くなかった。母たる強さが足りなかったんだということです。


奈緒は赤の他人であるつぐみに対して「母になる」と決意しますが、記者の山本が言うように、現実社会では「母性を抱いた事が罪」です。現実に母になるには決められた手順を踏む事が必要で、ちゃんと妊娠して自分のお腹から産まなきゃいかん。そうでなければ養子縁組くらい(これも手順が必要)しかありません。そういった手続きなしに、いきなり「母になる!」と宣言してもそりゃなれませんわな。けれども、フィクションの上では奈緒は母としての強さを持ち合わせていました。どういう事かというと、冒頭に触れた「容疑者Xの献身」における堤のように、犯罪を犯してまでもそれを守るという覚悟です。死ぬ気で守るという事です。死ぬ気と言っても本当に死んだら終わり。この場合、社会的な地位を脅かすことになろうとも、犯罪者になってもです。社会的な死を賭したわけですね。これは、最終話で明かされますが、うっかりさんが放火によって夫を殺害したという殺人罪は、実は奈緒によって引き起こされた事件であって、それをかばってあの世まで持って行った訳ですよ。まさに殺人者になってまでも娘を守ったのです。あのうっかりさんの人柄からして、とてもそういう風には見えないと言わせた周囲の評価は正しかったのです。そうしてそのうっかりさんの懐の深さといったら、まぁフィクション上でしかあり得ないかなと思わせるほどの聖なる母ですね。


まぁそれにしても、いい作品でした。

最終話の前の回のラストで泣きじゃくる継美の姿は涙なしには見れませんでした。

「もういっかい・・・ゆうかいしてっ!」って言われた日にゃ、僕はもう・・・どうしようかと思いました。


坂元裕二さんの脚本では、この前終わったNHKの「チェイス」(江口洋介主演)も見ましたが、人間というものの奥深さを感じますね。

久しぶりに日本代表の試合を観ました。W杯初戦だし、そりゃやっぱり勝って欲しいし、勝負事はやってみなけりゃわからないんだから。

あのドイツ大会。悪夢のオーストラリア戦以降、日本サッカーは冬の時代に突入。更にナカタが代表を引退。僕ははっきり言って興味を失いました。

それでも、折に触れて代表の試合は見つつ、その度に落胆させられ、いつからか完全に見なくなりました。

こういうゲームをやってくれればまた見るし応援するのだよ。


前半は双方ともじっくりじっくりという感じで、「ま、慌てるな。時間は有効に使わないと」ってな雰囲気でした。カメルーンは日本同様チーム状態がよくないと聞いてましたが、ホントになんだか「格下相手に何をビビってんだ?」って試合運びでしたね。初戦でしたから硬かったんでしょうね。そんな中、スコアレスで終わりそうな前半の最後あたりにまるで魅入られたかのようにサイドの松井にするするっとボールが渡ります。松井はよく見てた。そうしてその松井を本田がよく見てた。ゴール前でジャンプするディフェンダーの頭ぎりぎりかすめての『本田の左ひざへのゴールデンクロス』ですよ。

ゴールの神様はいきなり現れます。

なんかもう、代表のゴールって実にひさびさに見たような気がします。

よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!


この試合、殆んど全ての選手がいい動きと働きをしていたと思います。守る人と中盤の人と攻める人が。相手のエースであるエトーに仕事をさせなかった(顔が映ると猿にしか見えなかったんで)猿の長友に拍手。スピードといい身体の切れといい、きびきびしていた大久保に拍手。ピッチの動きを実は初めて見たんだけど、本田ってタフですね。ガタイのいいカメルーンの選手に全く負けていない彼に拍手。そんなに目立たなかったけど、遠藤は気づくといた。駒野は相変わらず運動量豊富だし、おとなしい感じなのにキャプテンで大丈夫なのかやや心配でしたが、長谷部ってのもちゃんとゲームを締めてました。


サッカーってのはみんなでやるもので、そりゃある程度の役割分担はありながらも、ゴールを割るため割らせないためにはお互いがフォローし合わなくてはいけない。なんか、中田ヒデと本田が先日対談したらしいけど、その時に本田が「孤立してました?」ってズバリ口にしたとかしなかったとか。その言葉が当時のチーム状況を表わしてます。僕が見てても、なんか、攻めるのも守るのもヒデ?って感じでしたから。チームで戦ってなかった。

この試合はみんながちゃんとフォロー出来てました。だからぎりぎりのところで失点も防げた。そりゃ危ない場面は何度となくありましたが、チームが一丸となって防いでなお破られたらあきらめもつきます。・・・たぶん。今までの失点はぽかんとしてやられてましたから、「ちょっ・・・なにやってんだよ!」というのが多かった気がしますから。


これで、次のオランダ戦も期待を持って見守って応援できます。

おめでとう!勝ち点3!君たちの魂見せてもらったぜ!



浅田真央は銀メダルでした。色々なプレッシャーと戦いながら、持てる力を余すことなく出し切った見事な演技だったと思います。トリプルアクセルを2回プログラムに入れるという五輪史上初めての挑戦。失敗すればメダルに届かないリスクを抱えながらやり切った精神力。涙があふれました。後半、体力・精神力共に涸れかけたせいか、普段見ないような細かいミスもありましたが、それも全力だったというあかしです。

演技のあとのインタビューで、浅田は涙があふれて言葉につまりました。大会前にはスランプに陥り、代表自体が危ぶまれた中できっちりその座を勝ち取り、ここまで来た。浅田はダメかと思われ、そんな自分でいても頑張れと声援を貰い、そういうファンの声に支えられながらこの舞台に立てたという思いがその涙になったのかなと感じました。

それは100%ではなかったかもしれない。けれども、君の全力だったという事は日本中の誰もが知っています。五輪という特別な舞台に初めて出場して、銀メダルを獲得した事はもう本当に素晴らしいことです。ジュニア時代に数々のタイトルを獲得しながら五輪には年齢制限の為に出場できなかった不運。4年間の切磋琢磨とモチベーションの維持は大変な事だと思います。よくここまでやってくれました。ありがとう。立派です。誇っていいと思います。


今回、安藤も5位に入りました。僕はショートを全く見ていないので何とも言えないけど、フリーの演技はかなりレベルの高いものだったし大きなミスもありませんでした。前回のトリノでは14か15位でしたか?この4年間で随分成長した事がわかります。ショートの出来がもう少しよければメダルに届いたと思うんですけどね。


それに、鈴木明子。よく知らない人だったけど、遅れてきたベテランらしいですね。これも、フリーの演技は相当ハイレベルだったし、初出場で8位入賞は立派ですよ。


日本人3人が全て入賞でうち銀メダルを獲得したんですから、上出来だったし、拍手を送りたいですね。


金メダルのキムヨナには脱帽するしかないでしょうね。文句のつけようのない絶賛演技でした。素晴らしいとしかいいようがない。これは認めるべきでしょう。

ただ、負け惜しみかもしれないけど、あの得点は高すぎる。なんであんな得点になるのか理解できません。順位で言えば、浅田より上なのは認めますが、浅田に比較してあの点差はないんではないか?


今回のバンクーバーは前回のトリノと比較しても充分頑張ったくれたんではないでしょうか?何せ、トリノでは「荒川静香が金メダル」だけの虎の子ですから。今回はこれで銀と銅が2個ずつですね。メダルを獲れなかった他の競技でも、軒並み前回成績を上げてますからね。


日本を代表して精一杯トライしてくれた代表の皆さんにお疲れ様と言いたいです。


本当にお疲れ様。

そして感動をありがとう。

長崎セインツの選手たちがよくうちに食事に来てくれます。というのも、まだ若手ですが金崎恭平(佐世保実業高出身)という選手が所属しており、彼は僕の同級生の息子なのです。僕の同級生がまた僕を応援もしてくれて、うち(牛ふぁん)を利用してくれるのです。お世話になっております。うちに来る時には、セインツの選手をたいがい3人くらいは連れてきますが、その中に松井宏次選手がおります。割と人数がいるせいで個室に入ってしまい、個々の選手と話す機会はあまりありませんが、ななんとその松井選手が楽天にドラフト育成枠で指名されたではありませんかっ!!古川や今村に続いてこれまたびっくりですよ。


3日(文化の日)にはそのお祝いという事で来てくれて、色紙にサインしてもらいました。頑張って欲しいですね!


育成枠というと、ぶっちゃけ2軍の下の3軍みたいなイメージを抱きがちですが、実際そんなことはありません。2軍の枠を拡げたという解釈の方が正しい。プロの目でその素質と素養を見抜き、「これは見込める」と認めたからこその指名です。現に巨人の山口鉄也あたりは一軍でめきめき活躍して昨季はリーグの新人王、今季は中継ぎのホールド王ですから。チャンスは確かにあるのです。楽天と言えば、パリーグの首位打者を獲得した鉄平あたりが身近ないいお手本だと思います。一軍で活躍してチームの顔になるんだって充分可能なのです。

松井選手はベストナインにも選ばれた堅実な守備とシュアーな打撃が売り。指名された時のテレビ出演で言ってましたが、「くせもの」と呼ばれたいようですね。もう引退しておバカ番組での顔になってますが、巨人にいた元木が「くせもの」の元祖。セオリーはもちろん、意表を突くプレーが出来て、ゲームの流れを呼び込める選手です。何をやってくるかわからないしまた何でもこなせる万能選手ですね。対戦する投手に嫌がられるようになれば成功でしょう。


長崎セインツから初のプロ野球選手が誕生するのです。ほんとに、身近なところからプロ野球選手が出るというのは、いち野球ファンとしてはまた楽しみが増えましたね。

プロ野球で松井と言えばゴジラ松井でした。もうひとり西武にいたカズオの方もメジャーに行ったんで有名な松井は今は日本にいません。野球界で有名な新しい松井になれるチャンスです。

やっぱりニックネームがつくような選手になって欲しいですよね。守備位置は確かセカンドだし、顔つきから言っても・・・モンキー松井?あたりでどうでしょう?


松井といえば「楽天の松井」と言われるように!

頑張れ!松井選手!


そうそう、恭平も頑張れ!来季はレギュラーを取れる大チャンスだ!






オレも頑張れ!






さざんカルビ-松井宏次サイン


さざんカルビ-松井宏次

ドラフト会議が終わりました。指名されるとは見ていましたが、まさか2人が揃いも揃って1位指名というのには驚きました。

菊地がメジャー志向を表明して注目を集めている辺りは、これは今村に有利に働くと思っていました。何せ、あのセンバツでは菊地に1対0で投げ勝っている今村ですから、菊地の評価に比例して今村の方も上がるだろうと見ていました。夏は調子がイマイチで出て来られなかったわけですが、プロのスカウトはちゃんと見ていますからね。直前には広島が1位指名を表明して、「こりゃひょっとすると、菊地を回避した球団との競合の可能性もあるかな?」なんて思っていました。ソフトバンクと相思相愛だった大嶺をサプライズ指名した上かっさらって行ったロッテの例がありますから。


結果は広島の単独1位指名。あぁ、広島かぁと。1位だからして名誉な事ではあるけども、年俸はそんなに貰えんわいなぁなどと余計な心配と大きなお世話。でも、巨人戦に登板してくれればテレビで観戦可能だし、それはとても楽しみです。


古川も大学できっちり結果を出してましたから、必ずどこかの球団が指名するはずと踏んでましたが、オリックスがなんと1位氏指名ですから、結構たまげましたね。こちらの場合は、テレビで見る機会は殆んどありません。交流戦での巨人戦登板が唯一の可能性ですが、期待するしかないですね。


それにしても、我が清峰の後輩たちが二人揃ってプロ野球選手になるというのは、なんかまだちょっと現実感が伴わないというか、自分の事でもないんだからオレとは関係ないにしろ、妙な感覚です。それだけの実績を彼等はあげたんだなぁという事を改めて感じます。古川は佐世保出身なんで距離がありますが、今村は隣りの小佐々町(現在は佐世保市に編入合併)ですから、身近だし嬉しさも増しますね。


うちの店は吉田監督にまぁまぁ気にいられているようで、もう何度も食事に来て頂きました。今、僕が考えているのは、吉田監督が今村なり古川なりをうちに連れてきてくれないかなぁという事です。で、彼等がうちの味に馴染んで、今度は今村なり古川なりが選手たちを連れて「牛ふぁん」に来るようになって貰えれば言う事無いなと。


これから契約を交わすんでしょうけど、おそらく1位指名だし、上限の1億円は手にするんでしょうね。そうして、プロになる喜びを噛みしめると同時にその責任ものしかかってきます。そのような金額に見合う活躍をです。また、共に戦ったチームメイトがいなければ彼等の成績も残す事は出来なかった訳だから、そういう部分を決して忘れずに精進してもらいたいものですね。


まぁなんにせよ、嬉しい事です。2人ともおめでとう!!


古川秀一、今村猛、2人とも頑張れ!期待しているぞ!!


後輩達に負けないよう、俺も頑張れ!!

教育テレビの番組で「ITホワイトボックス」というのを時々見る。毎回、パソコンに関する何かを取り上げて、解説をしてくれる番組。何がどうなっているのか中身がわからないものをブラックボックスと表現するのに対してそれを明らかにする(ホワイトボックス化)ということらしい。内容は、僕としては「既に知っている」或いは「ちゃんと理解している」というものがおおむね7割。「あ~そうだったのか」という新しい発見が3割くらい。だから、確認作業を含めて見ているのが僕の姿勢。視聴対象者はパソコンの初心者から一般ユーザーまで幅広く、たぶんパソコンを始めたばかりの初心者には「それでもよくわからない」という面はあるだろうし、そうであっても、その疑問を手元の資料や目の前のパソコンやで確かめればクリアになるだろうし、まぁそれなりに意義のある番組かなと思う。中でもパソコンに目覚め始めた中学生あたりにはかなりおもしろかろう。


ここに森下千里が出ている。レギュラーで。彼女はもともとグラビアタレントからテレビに出始め、主にバラエティが活躍の場。自己の恋愛経験をざっくばらんに披露して司会者から厳しく突っ込まれ、回想しては無邪気に涙するなど性格の良さは(たぶん)広く知られている。と思う。ヌードにはならないまでも、かなりきわどい線まで肉体を商品化(グラビア)し、プライバシーを比較的包み隠さず明かして笑いをとる(バラエティ)彼女だが、テレビタレントがプライバシーを切り売りする「さらしてなんぼの商売」であるならば、まさにタレントの鑑(かがみ)と言えなくもない。

やや乱暴な物言いではあるが、森下千里は「バカ」だ。ここでいう「バカ」は、無知という意味。世の中には大きく分けて3種類の「バカ」がいると思うが、ひとつは無知である為に「邪魔や障害になるバカ」。場の空気を読めず、余計なひと言を発して白けさせたり「ばか!よせっ!」などとたしなめられたりするヤツ。次に「何もできないバカ」は、無知に加えて無能でもあり、この場合テレビには出てこない。テレビに出るような仕事はもらえないからだ。最後は「愛すべきバカ」で、これが森下千里ではなかろうか。世渡りがヘタで、おっちょこちょいで、感情を抑制できない幼稚なヤツで、その割には我慢強さがそこそこあって根は生真面目。単に無知なだけだから、「こいつには何でも教えてあげよう」「支えてあげよう」と思ってしまう憎めないヤツだ。そういう「愛すべきバカ」である森下千里が僕は好きだ。

あどけなさをたたえたチャーミングな容姿とナイスボディはテレビにうってつけで、そこへ持ってきてド素人も驚かす素朴で飾らない性格。近頃はあまりバラエティ番組を見ないせいで、彼女のおもしろ発言をしばらく聞いていないけども、まだまだ活躍するだろう。


「ITホワイトボックス」を見ていていつも感心するのだが、彼女はいつも驚きと新鮮さをもって話を聞き、番組内での彼女の役割である初心者役を見事にこなす。このような番組は収録前に打ち合わせがあって、ひと通りの流れは既に把握しているはず。そうして彼女はレギュラーであるから、番組の回を追うごとに「初心者では無くなってもくる」に違いない。毎回のテーマによっては、別の回に放送した(彼女もまた勉強した)内容とリンクするものだってきっとある。それでも、番組の流れにきっちり沿って感心し、「凄いですねぇ!」と声を上げ、また時には彼女独特の(バラエティで鍛えた)トークで和ませる。僕らが既に(意味をはっきりとは知らないまま)使い慣れているものもあるが、IT関連の用語には難解さが多くつきまとう。ともすれば眠くなる「講義」も、彼女がいると絶妙な息抜きが出来て飽きさせない。


カメラの前にいない森下千里を僕は知るすべもないが、テレビに出始めた頃は「それこそな~んにも知らなかった」に違いない。だが今は多くの仕事をこなしていく中でたくさんの知識を得ただろうし人間的にも大きく成長を遂げているだろう。と同時に芸能界のいやな部分だとか人としてのダーティさにもきっと触れている。

それでも、テレビの中の彼女は今日も「愛すべきバカ」だ。

自分の役割をきちんと把握し、見せ場をつくり、和ませ、時に暴露し、僕等を楽しませてくれる。


これからもますます明るく元気でいてほしいものだ。

間違ってものりピーみたいな事にならないよう願っている。


※「バカ」という形容詞は彼女の熱烈なファンの逆鱗に触れるかもしれないが、僕はタレントとしての森下千里について言っており、メディアにおける彼女の「タレント性」を指したもの。決して侮辱したものではなく、その実、私人としては賢明な女性なのかもしれない。タレントが様々なテレビ番組に出演する際は、各々に与えられた役割を担う事でこそその価値を発揮する。

阪神負けましたね。ヤクルトがCS進出決定!

でも、ヤクルトファンの思いは複雑でしょうね。ずっと3位にふんぞり返っていたのにあれよあれよと連敗黒星を積み重ねて、とうとう4位に落ちて、こんな土壇場に来て必死こいて3位に滑り込んだという、ね。


でもね、僕は「これはおもしろくなった」と思いました。

いやいや、日本シリーズを争うのは果たしてどことどこなんでしょう?


僕は、パリーグから楽天が上がってきたらおもしろいと思っています。

百戦錬磨の、シリーズの、短期決戦を何度も勝ち抜いてきた野村監督が、成績どおりにCSで敗退するとは思えないんですよね。普通なら1位の日ハムが有利には違いないんですが、岩隈と田中という2枚看板を持っている楽天は怖いよ?永井や藤原もかなり怖いよ?そうして楽天が上がってきて、セリーグは終盤勢いに乗ってるヤクルトが中日を下すのですよ。で、対戦成績から言ってもとてもかなわない巨人はといえば、ゲーム間隔が空き過ぎて調子が出ない可能性があり、そこにヤクルトの付け入る隙だってあるんではと思うわけです。


だいたい、日ハムって僕に言わせれば地味です。勝つだろうという計算が出来て、またピッチングが見たいと思うのはダルビッシュだけ。それ以外は全く興味が湧きませんわね。巨人と日本一を争ったところで、なんか・・・。若手とベテラン、外国人と投打のかみ合う巨人に日ハムナインはやっぱかなり見劣りするというか・・・乗らない。それは巨人の選手たちもいくぶんそうかもなどと感じますです。だから実際にこの2チームで日本一を争ったら、結果的には盛り上がりに欠けるような気がするんですね。なんか、どっちが勝ってもいいやなんて。本心は巨人がもちろん勝って欲しいんだけど。


それより、野村采配と田中・岩隈の2本柱の楽天を見たい。そうして、選手はみんな揃いも揃って小粒ながら、しかもシーズンでは3位ながら、勢いに乗って「どういうわけか日本シリーズに来ちゃった!」ヤクルトですよ。

この2チームでやってくれたらおもしろかろうと。

NHKで日本語の番組が始まったので見てみた。国民的日本語がどうとかいうやつ。

フジでやってた「タモリのジャポニカロゴス」を思い出した。あれは時間も短かったし掘り下げが足りないというよりほとんど掘り下げてなくて、むしろストレスがたまったので見なくなった。


最初は「レバニラ」なのか「ニラレバ」なのかどっちだ?というもの。個人的には「レバニラ」だけど、理由は特にない。中国語を辿ると、副食材であるニラが先に来てレバがあとだそうで。けれども、この「ニラレバ」は日本語で発音する際には途中に「ラレ」が入る事で発音しにくくなる。これはスタジオの誰かが指摘していた。僕もそう思う。または感じる。よって、「ニラレバ」と言いつつも言いにくい為に「ニラレバ」だか「レバニラ」だか、などと誰かが言い出し、次第に発音しやすい「レバニラ」が広まったのではなかろうか?誰だったか年配のタレントが、「どっちでもいい」などとまさに「KY」な答えをしていたけども、日本語を考える番組に出演しておいて(ギャラ貰って)その態度はなんだと思う。本心はどっちでもよくても仕事なんだからどちらかの答えをするべきだろう。


閑話休題。

「よろしかったでしょうか」はやっぱりよろしくないと僕は思うのだ。

僕自身、お店で働いてもらうスタッフには使わないように指導している。

専門家によれば、この場合の「よろしかった」は過去形ではないとの事。ぼかし表現とかあいまい表現とよばれるもので、相手をおもんぱかって使うやさしい言い方であり、日本語に昔からあるもの。「ほう、そうだったのか」と一応ひざを打つ。よって、たった今注文をしたばかりの客(料理はまだ運ばれて来ていない)に対して「以上でよろしかったでしょうか?」の『過去形』が不自然と感じるのは間違った捉え方。

だが納得は出来ない。「文法的に間違っていないのものを非難するのはおかしい」という結論では足りない。全く足りないし、やっぱりおかしいのだ。そのような表現は確かにあるし、ごく自然に僕なんかも使う。「これでいい?」と聞く時なんかに、「これでよかった?」などと使う。この場合、「いい?」はシンプルな場合で、「よかった?」を使うのは、例えば連れ立って(仕事など)何らかの交渉を終えたばかりで、自分はいいと思うが、この結果に(君も)満足出来たか?という改めて問うような場合だ。僕の行動や言動を君は評価してくれたか?という意味合い。だから、そのようなぼかし表現が接客の場で使われる事が間違っている

接客の場合には立場というものが「はなっから」ある。態度がでかいのは常識的に客の方だ。客が注文を出したら、(お店のサービスにないものを除いて)無条件にかしこまりましたとばかりに受け入れるというのが接客のあり方。乱暴な要求でない限りにおいては全肯定的に受け入れるべきもの。そこで相手をおもんぱかる「ぼかし表現など必要ない」し、それはやはり不自然。「ぼかし表現」など不似合いな局面で使われるから誰も「ぼかしてる、おもんぱかっている」などと感じる事なく、違和感を覚えるのだよ。「ぼかし表現」は、どちらかと言えば対等もしくは上下のない場で使われてこそ有効であり、自然に聞こえる。接客の場でそれが使われた場合、客はどう感じるか?

「その注文で本当に満足なのかい?」とか「この料理をちゃんとわかって注文しているのかい?」とか「こんなにたくさん注文して所持金は足りるのかい?」などなど、どんな注文であるかによって様々だが、「客の懐具合や客の中身を怪しまれている」ような感じを受けるのだ。

「よろしい」と「でしょうか」という丁寧な言葉の真ん中に、怪しまれている感じを匂わせる「・・・た」を挟む言葉遣いのせいで、客の方は妙な不快感を残すのだ。こういうのを慇懃無礼と言うんではなかったか?或いはそういう感じを受けるのが不快なのだ。


番組では、店員と客という立場に言及するものは誰もいなかった。はっきり言って僕はこの件に関しては消化不良で、だからこうしてブログを書く事になってしまったわけ。

まぁ、日本語に関して色々と取り上げて調べるというのは個人的に大好きで、だから来週も観ようかなと思った次第。

ブログが完全に放置されたままだと、この人の実生活は果たしてどうなのだろう?実は交通事故にでも遭ってとうにお亡くなりになってやしないだろうか?などと心配しておりました。ネット上の名前しか知らずお会いした事もない方だし、お悔やみにもいけないなんて考えたりしたものです。本当にもうその方がこの世の方ではなかったとしたら、なんにもできません。ただただご冥福を祈ります。

もしそんな事を当ブログに関して思われた方がいたとしたら、すみません。僕はまだ生きています。

今年に入って・・・な、なんと5回目の更新です。

これで本当に「ブログやってる」なんて言えるんでしょうか?

いいじゃん。

過去記事はちゃっかり生きてるし。たまに訪問者もいるみたいだし。


いやはや、いろんなことが世の中には起きていて、溜息がでますわ。


僕も一度書くと、調子こいて続けやすくなる性分だし、古いものからというか、時期お構いなしにというか、もう書きたい事を書きます。


で、今日書くのはドラマの話ですよ。

鳩山さんとかのりぴーじゃありません。

巨人の3連覇でも楽天の躍進でもありません。


しかも、春に放送されたやつです。

フジテレビの「白い春」です。阿部寛が主演したやつ。

大橋のぞみの演技は実に素人っぽくて、というか「まだ子供だししょうがないよ」という低いレベルの為、見始めた頃はいやにぎくしゃく感を覚えました。それはムショ帰りを演じた阿部寛もそうです。どうなのかなぁ?安部ちゃんは本当の「いわゆる前科者」のどなたかに会って役作りをしたんだろうか?してないだろうな。あそこまで「おどおど」はしない気がする。僕もそんな人に会った事はないからわからないけど。

でも、大橋のぞみには慣れました。へただけど、時折見せるあの年頃の子供の「まんまの表情やしぐさ」が垣間見えて、違和感が薄れました。加えて忘れた頃に「もどかしさ」や「イライラ感」や「不安」や「怯え」といった、「(子供だからこそ)言葉にできない」或いは「(理由はよくわからないけど大人を困らせる事になるから)言っちゃいけない、言えない」という表情を顔にふっと浮かべるのです。またはあの子の顔にそれが浮かびます。彼女は彼女なりに役になりきって、精一杯やった事が出ていました。だから感情移入が次第に僕にも出来ました。

そうして安部ちゃんの方は、彼は「腐ったリンゴ」なんだから、色の悪さも漂うにおいも仕方がないのだなと、敢えてそういうものとして存在しているのだなと次第に合点が行きました。


お話が進むに従って気になるのは春夫とさちの行く末です。前科者である春夫が果たしてどうやってさちと一緒に暮らせるようになるのかならないのか?です。


僕は最終回でかなり憤りを覚えました。

番組のサイトを見ると、「感動した」とか「ありがとう」と言ったコメントが多く寄せられていましたが、「なんで?」と思いましたよ。僕には全く納得がいきませんでした。


作品における春夫の存在は、愛ゆえに過ちを犯した社会の落伍者です。真理子を思えばこそ、カタギになると決意し、真理子の命さえ担保出来ればそれが「彼女の幸せ」と考えて、組からの報酬を手術費に充てるよう友に託し、最愛の者に対して捨てゼリフで突き放し、己は涙に泣き濡れたのです。殺人ですから、残念ながら手法に誤りがありましたが、春夫にとっては真理子の手術費が捻出できるグッドなプランでした。いわば無償の愛だった。彼は無償の愛ゆえに人様の命を奪うという、一見美しく見えつつも実は浅薄で短絡的かつ身勝手な行為に及んだのです。根本的な間違いです。

ただ人は誰しも、多かれ少なかれ何らかの罪を犯して生きています。刑期を終えればその罪が全て「あがなえるのか?」と言えば、もちろんそんな事はないでしょう。重い十字架を背負ったまま生きていくしかありません。その罪は消えません。


前科者である彼はいわば「腐ったリンゴ」です。しかし、作品に描かれているように、彼は根っからの悪ではない。表面は腐っていても、時間の経過や人とのふれあいの中で次第にその部分は剥けていったはず。芯から腐っていたわけではない。周囲の人たちはそれを感じつつも、それでもやっぱり受け入れる事に心から同意しようとはしなかった。

春夫もそれを敏感に感じ取り、さちを村上に託して身を引く。人の命を奪った自分に娘を愛でる資格はない、と。娘の存在を知って動揺しながら、幸せを感じながらも、陰ながらさちの成長を楽しみに今後を生きようと決意していた。


それじゃぁ果たして、最終回はどのような着地点を用意しているのかと楽しみにしていました。そしたらば、因果応報とばかりにあの世に送ってしまいました。そんなお気楽でいいのか?人を殺したんだから、殺されてもしょうがない、ですか?あの結末は、春夫被告に死刑判決を出さなかった裁判所への不服申し立てですか?一人でも(殺意をもって)人を殺したら、初犯であろうが未成年であろうが死刑ですか?お話の中で、社会は春夫を受け入れようとはしませんでした。村上は頑張っていましたが、さちの父としてではなく、「一人の人間としては」受け入れようともがいていました。

だけど最終的には、「春夫に十字架を背負わせたままその後を生きる」だけでは視聴者を納得させられないと考えた。「最後には春夫に死んでもらう」という結末は、それが視聴者が納得する終わり方だというのは、ある意味で非常に危ない着地の仕方です。


その頃、ちょうど裁判員制度の開始が間近でした。罪に対する社会の処罰感情は近年増しており、命が奪われた事件では極刑を望む遺族が殆んどです。それは当然のことだとは思います。ただ、法を司る側が様々な事情を考慮して判決を出すのですから、そこには、その仕事に敬意を表すというのが常識的な姿勢だと僕は思うのです。あの結末は、人殺しがシャバに出てくるなんてとんでもない!という市民の声を反映していると僕は思いました。もし現実に殺人の前科を持つ人が近くに現れたら、「ドラマのように殺せ!」とは言わないにしても、「絶対に受け入れるな!」そして「社会的に抹殺せよ!」というあおりですよ。

危険極まりないと思います。


僕は、死刑制度は撤廃すべきではないかと思っています。死刑制度は、法律の名を借りて国家が犯す人殺しだからです。明らかな自己矛盾です。殺人を犯したものは、その罪を悔い改め、命の尊さを一生慈しみ、社会奉仕活動に従事すべきでしょう。冤罪によって死刑執行された人はどうなりますか?化けて出ます。過ちを犯すのが人間であり、裁判所の判決だって人が出すものです。

そこで出てくるのが裁判員制度ですが、あれは、「へたこいた」時の為に司法側が責任の所在をうやむやにする為に作り出したものと僕は思っています。何せ、合議の上で出す判決ですから。選任された方にはお気の毒としか言えません。


僕が思い描くドラマの結末のシナリオはこうです。

10年後くらいです。さちは大学の1年生です。春夫は仏門に入っています。さちは未だに春夫が実の父だとは知りません。墓場まで持っていく秘密でしょう。


さち「おじさんと一緒だと、な~んか落ち着くんだよねぇ」

春夫「な何だよ、それ」

さち「なんかわかんないけど、昔からそうなの。なんでかなぁ?」

春夫「おまえがいてくれて・・・よかったよ」

さち「え?よかったって・・・なにが?」

春夫「お・・・オレを怖がらなかったのは・・・お、おまえだけだったから・・・なんか友達が欲しかった・・・って感じかな?」

さち「えぇ~?・・・じゃぁ・・・おじさんもあの頃寂しかったんだね?」

春夫「・・・ま、まぁな」

さち「まぁ・・・私も大学生だしね。色々と忙しいんだけどさ、でもこれからも時々会いに来てあげるっ!」

春夫「・・・おぉ・・・あぁ、また来いよ!」


ってな会話でニコニコ笑いながら、二人で夕日を眺めてる。

そんなんでどう?


清峰対長崎日大の準々決勝をスタンドで観てきました。3回表の清峰の攻撃途中でした。
なんと、初回に2点を先制されている!!投げているのは今村じゃないのか?いやいや、
今村のようです。
信じられんと思いましたが、それはもうしょうがない。スタンドの雰囲気も、
「まぁまぁ。2点くらいならハンデにちょうどよかろ?」ってな具合です。
僕も実際そういう気持ちでした。そうして、4回表にさっそく清峰は1点を返すのです。
4番やまさきのタイムリー。が、「おいおい、そんなんでいいのか?」と僕は思いました。
タイムリー2塁打には違いないが、3塁を欲張ってタッチアウトになりました。この場面は
1アウト2塁でしたから、2塁に残っていたらもう1点入る可能性・・・いやいやビッグイニングに
できる可能性もありました。ところが結果は(1点返したものの)2アウトランナーなしです。
2塁を回ったやまさきの走塁はそれほど暴走と感じなかったけども、中継がよかったのか彼の足が
遅かったのか、2塁と3塁のなかばを過ぎた辺りからがスロー映像みたいに遅く感じられました。
凄くもったいなかった。でも、本当に、スタンドの雰囲気も「すぐ逆転するよ」と軽く考えていた風です。
その考えが甘いものだったことが、4回の裏にわかります。
長崎日大はすぐさま1点追加して、その点差を2点に戻したのです。
「あ・・・あれっ?」
「おいおい、今村ぁ~?」
それからですよ。目に見えないプレッシャーみたいなのが清峰側のスタンドをみるみる覆うのは。
清峰の野手陣は、相手投手の変化球にどうやら対応できていませんでした。まっすぐが多いときには、
センター中心に打ち返すシングルヒットがたやすく出ます。しかし相手が変化球を混ぜ始めると途端に
凡退します。スライダーかなと思いましたが、リリースが遅くて判断しづらいのかやたらにてこずります。
或いは球速がそこそこあって、いわゆる高速スライダー気味だったかもしれません。これを空振りする
ケースが結構ありましたから、まっすぐだと思ってスイングを始動したらスライドして更に落ちた、みたいな。
なにしろこれを打てないのですよ。ヒットが連続したのは、その4回表に得点した時だけだったかしれない。
ミスもありましたね。盗塁死あり、バント失敗(キャッチャーフライ)あり。こりゃだめだの連続です。

攻撃における作戦は紙一重です。思い切った策も手堅い策も、結果が出なければもちろん失敗ですよ。
「打てん」と思ったから仕掛けたでしょうし、「打てん」と思うから送ろうとした。ことごとく失敗です。
今回、今村の調子も正直言ってよくなかったと思います。球がやたらとばらついていて無駄な四球もあったし、
捕手のパスボールもありました。負けるべくして負けた。

長崎日大と言えば、確か2年前の夏にも敗退して甲子園切符を奪われています。その時は「ベスト4で」
だったと思います。決してなめてはいなかったと思いますが、あれだけミスを連発しといて勝てる相手では
なかった。そういうことです。

お店に来るお客さんですが、負けた帰り道に球場内で出くわして、初回の2点をどうやって取られたのか聞きました。
どうやらフルカウントからパスボールで振り逃げされて、そこに2塁打を畳み掛けられての2失点らしい。
「立ち上がりを狙われた」とのことですが、今村は別段「立ち上がりの悪い投手ではない」と僕は思ってて、
ということは、要するに調子自体が低調だったのではないかと思います。
この夏は、各チームとも「打倒清峰!」を口々に叫んで練習を積んできたはず。今村もかなり研究されていたでしょう。
打撃陣にしてもそうです。ヒットを打った時にどんな球種だったか?何を打って凡退したか?春のメンバーが
おおむね出て来るわけだから、データは揃っていた事でしょう。

悔しいけど、これは紛れもない現実。
店で「清峰負けたぁ!」と母に報告したら何と言ったか?
「そがんことのあるとねっ!?そしたらどがんなると?」
「どがんなるって・・・負けたら終わりたい」
「甲子園には行かんとね?」
「行ける訳なかたい」
「・・・あ~あぁ」


プロ野球は5連敗があっても優勝出来ますが、高校野球は1敗で終わり。
厳しいですね。だからこそ、その1球に賭けるドラマがあるわけですが。
世間ではなんと言ってるんでしょうね?やはり「波乱」という事になるんでしょうか?
僕はそうは思いませんでした。長崎日大は強かったし、対する清峰は全体的に見て本調子ではなかった気がします。
相手投手を打てなかった、に尽きますね。なかなかの好投手ですよ。長崎日大にはこのまま勝ち進んで
甲子園切符を奪い取って貰いたいですね。清峰打線が打ちあぐんだ彼を攻略するチームがあるのか?
それはどこなのか?あっさり大量点を献上するようなら清峰打線何やってた?って事になるでしょうし、
やはりどこも打てないなら、清峰が1点しか取れなかったのもうなづけるって思えるし。
注目します。

これをアップする段階で、長崎日大は既に甲子園切符を勝ち取りました。
投手は大瀬良くんという名前らしい。どうやらなかなかいい投手のようです。
すると、「清峰打線の調子が悪かった」というわけでもなさそうですが、それにしても、春には各県代表校のエースを次々に
攻略して勝ち進んできたチームなんだし、「なんとかできんかったとや!?」とつい声を荒げてしまうのです。
悔しいです。

写真は当日の球場入場券。500円払いました。



さざんカルビ-入場券(H21夏)